離床ファシリテーター研究グループより、臨床で使えるお勧めのエビデンスを紹介します。
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今回は高齢者の骨折リスクになる、骨粗鬆症の対策に関する興味深い報告をシェアします。
この研究では閉経後に、骨量が減少した86名の女性を対象に、通常ケア(毎日のカルシウム、ビタミンD、定期的な運動など)に太極拳加え、9ヶ月後の骨密度の変化を調査しています。結果は、大腿骨頸部の骨密度は、通常ケアのみでは平均約1%減少したのに対して、太極拳群では0.04%の微減でした。太極拳のように、大腿骨頸部に対する多方向への荷重が、骨量減少の抑制に有効であったと考えられます。定期的な運動をしているのに、骨粗鬆症が進行している場合、太極拳を取り入れてみてはいかがでしょうか?
Peter M Wayne et al: Impact of Tai Chi exercise on multiple fracture-related risk factors in post-menopausal osteopenic women: a pilot pragmatic, randomized trial.BioMed Central.2012;12:7.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3298524/
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文:離床推進ファシリテーター研究グループ(五十音順)
植田 裕之(北九州八幡東病院)
太田 恵美子(東邦大学医療センター大橋病院)
大友 健司(道北勤医協一条通病院)
奥島 悠大(医療法人社団 井野口病院)
川井 貴彦(塙厚生病院)
川瀬 和大(履正社医療スポーツ専門学校)
川田 稔(倉敷紀念病院)
川辺 大介(札幌北楡病院)
木村 紫聖(道東の森総合病院)
勝又 麗奈(竹山病院)
篠宮 美幸(静岡済生会総合病院)
髙岸 亮太(大阪府済生会茨木病院)
長尾 工(榊原記念病院)
松本 大輔(武蔵嵐山病院)
實 結樹(リハビリセンター Reha fit)
吉田 竜一(医療法人沖縄徳洲会 千葉西総合病院)
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