離床は医療スタッフにとっては当たり前でも、患者さんや家族には当たり前ではないことがあり、うまく進まないことがあります。そんな悩みの解決に役立つ、つぶやきを紹介します。
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患者さん
さっき初めて起こしてもらった時に立ちくらみがしました。まだ寝ておいた方がいいかな・・・
初めて離床する時によく耳にするフレーズではないでしょうか。
スタッフ
普段私たちは、姿勢が変わっても血圧を一定に保つ力を持っています。でも、横になっている時間が長くなると、血圧を調整する必要性が減り、血圧を一定に保つ力が弱くなります。その状態で起きると、立ちくらみが生じやすいんですよ。
そう伝えると、起きるって大事なのですね。これからは出来るだけ起きるようにします。今日のリハビリも頑張ってみようかな。
患者さんは、医療従事者が思っている以上に、離床のときの身体の変化に敏感で、少しの変化に不安を感じているので、しっかりと説明する重要性を学んだケースでした。正しい知識を伝えることで、離床に消極的だった患者さんが自ら起きようとしてくれる場面に多々遭遇します。日々の臨床でのちょっとした患者教育が、「医療者が行う離床」から「患者自ら行う離床」へと変えていく一歩になるはずです。日々、少しずつ行っていきたいですね。
文:離床推進ファシリテーター一般市民グループ
上谷 裕哉(九州記念病院)
唐澤 卓馬(伊那中央病院)
木下 正太(高島市民病院)
槶原 勇人(AOI国際病院)
小島 厳(川崎市立川崎病院)
丸山 英樹(よこすか浦賀病院)
古本 誠治(あまの訪問看護ステーション)