日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【脳出血の血圧管理は高めでもいい?ファシリテーターのつぶやき】

脳出血急性期は、積極的な降圧が勧められていますが、

「自分の施設ではあまり厳格に降圧していないけれど、大丈夫?」と

不安に思ったことはありませんか?

そのような疑問に参考となる報告が発表されました。

この研究では、脳出血患者さんを対象に、

積極的な降圧(収縮期血圧を140 mmHg未満)が、

死亡リスクや機能障害に影響するか調査しました。

その結果、積極的に降圧を行っても、行わなくても、

死亡リスクや機能障害の改善に有意な影響はなく、

差がありませんでした。

積極的に降圧しないメリットとして、

出血周囲の脳細胞に対する血流を維持し、

脳細胞の障害を最小限にすることができると考えられます。

離床の際には、血圧の上限値だけではなく、

その裏に隠された治療方針も見極める癖をつけてみましょう。

下記原典では、性別による影響や降圧剤使用の詳細についても見ることができ、とても参考になります。

是非、ご覧ください。

Mayumi Fukuda-Doi et al. Sex Differences in Blood Pressure–Lowering Therapy and Outcomes Following Intracerebral Hemorrhage.stroke,2020.

https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/STROKEAHA.120.029770

文:離床推進ファシリテーター 研究グループ部会