平成30年2月24日明治大学中野キャンパス内で、日本離床研究会の2回目となる市民公開講座を開催しました。実際にICUでの離床経験をもつ講師が、“もしもの入院時に役立つ備え”についてお伝えしました。
“安静第一?なるべく起きる?”
生涯自分の足で歩くためにすべきこと
受講された方々は「病院選びのチェック」や「セカンドオピニオンの料金」といった話に関心を持たれていましたが、中でも臥床による廃用症候群のトピックスに興味を持たれていました。“基礎的な疾患がなくとも、3日間の寝たきりで筋力が5%低下する”といった臥床の弊害に関する話について、「勉強になりました」という意見や「動くことの大切さを改めて認識した」という声が多く聞かれました。
講座後、「今度、日帰り手術をする予定で、何を準備したらよいのでしょうか」といった自身の診療についての質問など、普段医療者対象の講座ではあまり聞かれない質問が多くありました。
アンケートでは「生の先生のお話が聞けて大変参考になった」という意見や、「実際の病院の様子をよく知る機会になった」など様々な反応がありました。
一般の方々にとって、まだ病院や医療は非日常的で、わかりづらいものです。一般市民の方々の見地を深めることで、“もしも”の時に自身の治療への積極的な意思表示が可能になることを感じました。
現在、当会では患者さん自らが起きていく文化を育む、市民活動を行っています。
臨床家の皆さんは、日ごろから自身のスキルをアップデートし、現場をより良くされていることと思いますが、今後このような活動を通して臨床現場が患者さんやご家族の立場から変化していくことを目指していきます。