なぜ今、チーム医療なのか
患者さんによって、病気の症状はそれぞれ違いがありますが、多くの方が身体的な苦痛や心理的な問題、社会的な問題を抱えています。例にあげると、病気の再発はしないのか、薬に対する副作用の不安や退院後の食事はどうすれば良いのか、運動はどのように行えばよいのか、金銭面の問題、仕事への復帰に対する不安、介護の不安など抱える問題は様々です。
多職種が関わりあうことで情報を共有し、連携しながら専門的な立場から手助けを行うことができます。これによって、患者さんを中心としたよりきめ細かい良質な医療を受けることができます。
現場で行われているチーム医療は、NST・RST・褥瘡対策チームなどが有名です。これらのチームが介入することで栄養や呼吸、褥瘡の状態が改善していきます。しかし、これらが改善したとしても、寝たきりになっていることはありませんか?
各チームとも、共通の目標は離床し、社会復帰に向けた取り組みが必要です。
E-MATとは?
「E-MAT」とは、各施設で離床を行う「離床チーム」(Early Mobilization Assistance Team:略称E-MAT」のことです。
多職種で構成されたチームが病棟・部署単位で存在し、離床を推進する原動力として活躍します。
E-MATがなぜ必要なのか?
近年、「離床」が共通用語として認識され、これまで「なんとなく良いだろう」と行われていた離床が「根拠ある治療」になっています。さらに離床推進するためには、現代医学が日々進歩するにつれて、ますます多様化している患者背景に対応できる総合的能力が必要であり、専門家同士でのチームコラボレーションが不可欠と考えられます。
E-MAT登録のメリット
チームの登録をすることで、離床が可能な患者さんの早期発見や、離床に関する知識の習得と教育が進みます。
医療監査・病院機能評価に有用
近年、各種監査や病院機能評価では、リハビリテーション領域における他職種連携(チーム連携)が重要視されています。実際に複数の施設においてE-MATの導入が「優れた活動である」「チーム連携がしっかりしている」と高く評価されています。当制度にはマニュアルや活動報告フォームが既に用意されており、活動を明確な証拠としてアピールできます。