日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

寝たきり予防士とは

医学・介護の知識・技術を活かし、適格なアドバイスができ、自分自身や家族が入院したときに、自らすすんで起き上がり、入院による寝たきりを防ぐための資格です。寝たきり予防士は、正しい健康や医学の知識、介護技術を市民が身につけ、自分自身で将来病気になった時や家族の介護ができる人を育成することを目的としています。

IT化により、医学の情報は簡単に手に入ります。しかし、テレビやネットの情報が全て正しいとは限らず、出所のわからないクチコミに惑わされる可能性もあります。そこで、寝たきり予防士を目指すことで、日本離床学会に所属する、医師・看護師・理学療法士・作業療法士などの国家資格保有者から、正しい知識と技術を身につけることができます。

資格取得のメリット

【仕事に活かす】

・医学的知識に基づいて、寝たきり予防に関するアドバイスができる

・病院や福祉施設で寝たきり予防のリスクを察知して対策できる

・患者さんや利用者さんとその家族に適切なアドバイスができる

【大切な家族の健康のために活かす】

・寝たきりの原因となる病気を予防する知識が身につく

・家族の介護について正しい知識で備えることができる

・プロから確かな知識を学び、納得のいく治療の選択ができる

【自分自身の健康のために活かす】

・健診結果から、「本当に通院すべきか」自分で自分の身体のことを見極める力が身につく

・病気の前兆を知って早めに対策したい

・自分の介護について正しい知識で備えることができる

なぜ、市民が医学を学ぶのか

私たち医療者は、入院して治療を受けたにも関わらず、車いす生活になってしまったり、元の生活に戻れなくなる人を何人も見てきました。

  • 体力が低下して、寝たきりになってしまった方
  • 入院前は歩けていたのに、車椅子生活になった方
  • 自宅には帰れず、施設へ入ることになってしまった方

その原因は

廃用症候群

入院をしたら、安静に寝ていなければならないという、思いこみです。
廃用症候群といって、寝ているだけで、上のような様々な障害が次々に発生し、元の生活を奪われてしまうのです。

なぜ、安静に寝ているだけで、様々な障害が同時に発生するのでしょうか。それをひも解くキーワードは「重力」です。ベッドの上では、ほとんど重力に逆らって活動する必要がありません。つまり、無重力の宇宙と同じということができます。

宇宙飛行士は、長期に無重力環境にさらされ、廃用症候群に陥る危険があります。そうならないために、宇宙に行く前、滞在中も厳しい訓練を受けているのです。

(写真提供JAXA / NASA)

それでも宇宙飛行士が地球に帰還するとどうでしょうか。自分の足で立ち上がることができません。入院して安静にしている患者さんは、訓練も受けていないのでもっと厳しい状態に陥る危険があるのです。

(写真提供JAXA / NASA)

その対策は病気をしても動くこと 離床 です。

離床とは、病気やケガなどで、臥床状態となったときに、ベッドや布団から起き上がり、立ち、歩く、ことをいいます。こうした活動を行うことで、廃用症候群を予防し寝たきりを防ぐことができます。

病気をしても動くこと「離床」の大切さ、安静の怖さを「医学の知識」に基づいて備えることで、入院しても自ら「起きる」重要性がわかります。

誰でも寝たきり予防士を目指せる

今までの知識・経験は問いません。
誰でも、いつでも学ぶことができます。

資格取得の流れ

※不合格になっても合格するまで何度でも受験できます
※認定試験対策講習会を受講できない方は、公式テキストで自宅学習をして受験することができます(公式テキストのご案内はこのページの最下部にあります)

認定試験対策

寝たきり予防士認定試験対策講習会

【次回開催予定】   

日時:2022年10月23日(日)13:00~16:30

会場:東京都内会議室 ※決定次第お知らせいたします

講師:飯田 祥(日本離床学会 理学療法士)

受講料:8,000円(税込)   

認定試験対策講習会プログラム

Program 1 寝たきりがもたらす弊害

              ・そもそもなぜ寝たきりはいけないのか

              ・寝たきりで襲い掛かる“廃用症候群”とは

              ・寝ている姿勢が肺や呼吸に悪い3つの理由

              ・心臓がさぼる?寝たきりで起こる「起立性低血圧」とは

              ・寝ているだけで骨はスカスカ、筋肉はガリガリに

              ・身体だけではない!寝たきりは認知症を激増させる

Program 2 寝たきり予防の最良の手段「離床」

              ・寝たきりを予防する「離床」とは

              ・離床のキーマンワッサーマンの歯車

              ・各疾患における離床の効果~がん・脳卒中・骨折・呼吸疾患・循環器疾患~

              ・動けばいいわけではない!プロが実践する離床の進め方

Program 3 離床前に必須のフィジカルアセスメントと検査データ

              ・必須の技術「フィジカルアセスメント」ってなに?

              ・その息切れ大丈夫?呼吸のフィジカルアセスメント【実技あり】

              ・最大のリスクをマーク!循環のフィジカルアセスメント【実技あり】

              ・どのくらい動ける?運動機能のフィジカルアセスメント【実技あり】

              ・立ちくらみが・・・そんなときにみる貧血のデータ

              ・高齢者では必ずチェック!脱水のデータ

              ・服薬している人は要注意!肝機能・腎機能のデータ

Program 4 実践!百戦錬磨のプロが教える離床の実際

              ・まずはなにから始めればいい?エビデンスに基づく離床の進め方

              ・こんなときは立ち止まろう!離床の開始基準と中止基準

              ・パターン別車椅子への移乗動作介助【実技あり】

              ・床上での動作介助~上方移動・側方移動・寝返り~【実技あり】

              ・褥瘡(床ずれ)を回避するポジショニングの実践【実技あり】


認定試験

認定試験対策講習会を受けられない方へご案内

認定試験対策講習会を受講できない方は、公式テキストで自宅学習をして受験することができます。
寝たきり予防士認定試験の公式テキストでは、寝たきりの身体への悪影響や寝たきりへの最良の対策「離床」についてわかりやすく解説されています。イラストも豊富で初心者でもイメージしやすく、医療者でも、患者・家族指導に参考になる内容です。
定価 1496円(税込)
本のご注文はこちら

資格取得に関するQ&A

Q 寝たきり予防士は医学を学んだことのない初心者でも目指すことができますか?

A はい、一般の方でもわかるやすいテキストと講習会の資料を準備していますので、初心者でも安心して目指すことができます。

Q 寝たきり予防士は医療従事者しか取れませんか?

A いいえ、どなたでも取得することができます

Q 寝たきり予防士はどのような仕事に活かすことができますか?

A 医療・健康・福祉・介護に関わる仕事を中心に幅広く活用できます。

Q わからないとき質問はできますか?

A メール・FAXで質問ができます

Q 試験は一度不合格になると受験できませんか

A いいえ、合格するまで何度でも受験することができます

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