離床って、ただ物理的に身体を起こすだけであれば、とても簡単に思えますが、それは何も考えていない行為で、本当の離床とは呼べません。また他の問題として、「脳卒中だからこう動かそう」「大腿骨頸部骨折だからこのペースで離床ができる」「心筋梗塞だからこんな離床のリスク・・・」というように、疾患で考えているケースも散見されます。もちろん、どのような疾患の患者さんであるかは重要な情報ですが、同じ疾患でも、状態は患者さんによって大きくことなります。
では、どうすればよいのでしょうか。その答えは“病態”を読み解くこと。今、動かして大丈夫なのか、リスクがどのくらいあるのかは、疾患ではなく、炎症や貧血などの病態がどのくらいコントロールされているのかに、大きく左右されると言っても過言ではありません。意外と疾患に気を取られがちで、病態のことは医師まかせ、という方も多いのではないでしょうか。病態コントロールのプロである医師と、動かすプロであるコメディカルが、常にディスカッションできていますでしょうか。
病態コントロールといっても、離床レベルがベッド上と、立位・歩行まで進めるのでは、大きく捉え方が変わるので、チームで病態の治療がどのようなトレンドで進んでいるのか、その状態にあった離床レベルはどのくらいを目標とすべきなのか、すり合わせていかないと、効果的な離床と治療の両輪が回らないことになります。「疾患ばかり気にしていたな・・・」と感じた方は、是非、病態に目を向けてみてください。
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