漠然とした不安や過去の後悔に悩まされやすい医療従事者や患者さんにとって、ストレスとの向き合い方を学ぶ上で「マインドフルネス」がお勧めです。
マインドフルネスとは、過去の出来事や未来への不安など、頭の中に浮かび上がりやすい雑念にとらわれることなく、身体の感覚や呼吸に意識を集中させて、”今”の身体状況やあるがままを受け入れられている状態のことを指します。
マインドフルネスを実践する際に特別な準備は必要ありません。床に座れる方はあぐらや座禅を組んでもいいですし、足に痛みがある方はイスに座って行うことお勧めします。背筋が伸び、お腹の力が抜ける姿勢で実施するのがポイントです。やりやすい姿勢が決まったら目を閉じ、自身の呼吸に集中してみましょう。
息を吸っている時には吸っていることに意識を向け、息をはいている時には吐いていることに意識を向けます。この時、別のことを考えてしまうことがよくありますが、鼻から肺を出入りする空気の感覚や自身の身体の傾き、まぶたの裏に感じる光の明るさ、肌に触れる空気の温度など今の身体の状況に意識を向ける時間を作るよう指導してみましょう。
常に緊張状態にある医療従事者や不安を抱えている患者さんは、今、この時に集中する時間は1日の中でそう多くないはずです。まずは5分間でもいいので、離床したときに患者さんと一緒に、呼吸や身体の状況に目を向ける時間を取ってみましょう。次々に思い浮かんでくる不安や後悔の整理がつき、今やらなければならないことに目を向けられるようになるはずです。
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