日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.435 【負担の少ない動作はこれ!】腱板損傷患者さんへのADL動作指導

質問

腱板断裂術後において、再断裂しやすいADL動作はなんでしょうか?注意すべき動作と対応方法について教えてください。

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣

再断裂しやすいADL動作は、「整容動作」や「入浴時の洗髪動作」に注意が必要です。具体的には、肩関節を屈曲・外転・外旋する動きが腱板に負担をかけるので、洗髪やブラッシング時は肩関節の可動角度を制限するように指導しましょう。

指導のポイントは、肩関節の動きを制限し、肘関節や頸部などの他関節にて代償することで、負担を軽減できます。洗髪動作を例に解説すると、洗髪動作時の姿勢は前かがみになり、脇を締めて(肩関節内転)肘を曲げて頭を洗うようにします。また、洗髪用ブラシなどの道具を活用するとさらに上肢の動きが少なくなります。

肩関節外旋動作の強化は腱板断裂術後の回復において重要ですが、それと同時に腱板に大きな負担をかけてしまいます。ADL動作で過剰な負荷がかからないように、しっかりとポイントを押さえて指導しましょう。