質問
離床や体位変換で、末梢にあった痰を中枢側に移動させた場合に、気管吸引できる位置まで上がってきたと判断するためには、どのようなアセスメントをすればよいでしょうか?
回答
痰の移動をもっとも判断しやすいのは、ラトリングの位置の変化です。ラトリングとは、痰が気流によって動き、それが体表に振動として伝わる現象です。最初、末梢に触知されたラトリングが、中枢側に移動し、胸骨付近で感じることができるのであれば、気管吸引によって、痰を取れる可能性が高くなることを示しています。時間を決めてルーティンで気管吸引するのではなく、離床や体位変換の前後で、必ずラトリングの変化をアセスメントすることが重要です。
また、痰の位置を確認するためには、聴診を活かすこともできます。排痰目的に離床や体位変換を行う前に、必ず聴診を行います。例えば、末梢にあった痰の聴診では、水泡音が吸気の終末に聴かれることがあり、それが、離床や体位変換を行った後、吸気の初期に聴こえるようになったのであれば、痰が中枢側に移動した証拠となるので、気管吸引できるタイミングと言えるでしょう。
これらのポイントをもとに、気管吸引のタイミングをはかってみてください。
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