質問
心不全で浮腫みが生じる理由はわかりましたが、なぜ、心不全では下肢が浮腫みやすいのですか?
回答
回答者:曷川 元、他 日本離床研究会 講師陣
アセスメントの所見について「なぜ?」と考えるのは大切ですね。
心不全で下肢が浮腫みやすいのは、「静水圧」がキーワードです。静水圧とは、血管の水分が血管の外に押し出そうとする力のことです。心不全では血流がうっ滞し、この静水圧が健常者よりもとても高い状態となります。静水圧とは心臓から遠い場所ほど強いため、心臓から最も遠い下肢が浮腫むのです。
同じくよく浮腫みが出る腎不全では、下肢よりも顔など上半身に浮腫みが出るといわれています。その理由は、腎不全から低タンパク血症になることが要因と考えられます。タンパク質は血液中に水分を引き寄せる作用があるため、低タンパクになると血液の水分が血管外に出てしまい、顔の浮腫みとして現れやすいのです。
浮腫みの鑑別ポイントとして、下肢か顔に優位に出ているのか見分けてみてください。
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