日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.159 【SpO2低下は離床中止の目安になる?】

質問

離床を中止するタイミングについて、SpO2が88%程度に下がることを目安にしていますが、問題ありませんでしょうか?

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床研究会 講師陣

様々な離床の中止基準で「SpO2<88%」が中止の目安とされているので、そのタイミングであっています。

ただし、SpO2だけで判断するのは不十分です。

可能であれば、フィジカルアセスメントやヘモグロビン(Hb)値の採血結果も確認できると良いと思います。

例えば、Hb値6g/dLの患者と、Hb値12g/dLの患者さんでは、細胞まで届けられる酸素の量が2倍の差がありますし、Hb値6g/dLの患者では、SpO2が100%であったとしても、離床によって細胞への酸素不足が生じ、息切れが起こる可能性もあります。

SpO2低下はひとつの過程であって、その過程の結果生じる細胞の酸素不足の徴候である、呼吸仕事量の増加(努力呼吸や呼吸数増加)を確認できることが重要です。

臨床では、SpO2プラスアルファの情報もチェックしてみてください。