質問
離床を進める際にどの程度(時間など)座位が行えたら、 次のステップ(立位など)に進めることを検討できるでしょうか?
回答
回答者:曷川 元、他 日本離床研究会 講師陣
講座では離床の段階を臥位から座位にした際に、足のチアノーゼをチェックしましょうとお伝えしました。
座位にした際に一時的に心拍数が上昇し、足部のチアノーゼが出現するのは、心臓反射と血管反射が働いている証拠であり、良い反応です。
ただし、時間が経過しても足部のチアノーゼが改善しない場合は、無理をせずに臥位に戻しましょうです。
上記は一つ例にとったアセスメントですが、離床の時間だけでは、次のステップに進められるかは難しい判断となります。
状況に応じたアセスメント結果と一緒に考える必要があります。
もし、離床時間で次のステップを考えるのであれば、20分という基準を持ってください。
下記のように20分を区切りに、次の離床のステップへと進むわかりやすいプロトコルが有名です。
このプロトコルはMorrisら1)が報告したもので、具体的な離床時間や訓練をプロトコル化して、離床がスムーズに行えるとしたものです。
リハビリテーションの1単位(20分)に繋がっており、良いプロトコルであると考えられます。
是非、各施設にあったプロトコルを作成し、段階的離床を積極的に進めてみてください。
きっと患者さんのADL拡大ならびにQOL獲得につながると思います。
1) Morris PE et al: Early intensive care unit mobility therapy in the treatment of acute respiratory failure. Crit Care Med. 2008 Aug;36(8):2238-43. doi: 10.1097/CCM.0b013e318180b90e.