以前にも、COVID-19症例に対する腹臥位の情報をお知らせしましたが、イタリアから新しい情報が届きました。
Zarantonelloらは、COVID-19による呼吸不全患者を、背臥位と腹臥位のポジションで、インピーダンス断層撮影を用いて肺の換気と血流を記録しています。
その結果は、背臥位から腹臥位にすると、背側の換気が約20%改善し、肺全体の換気と血流のマッチングも増加しました。
腹臥位にポジショニング後、1時間でP/F比も、118から263まで改善しています。同様の研究は、今までにも報告されていますが、COVID-19による呼吸不全患者においても、腹臥位が酸素化の改善に有用である根拠のひとつとなりそうです。
下記原典では、実際の換気と血流の画像を見ることができます。是非、ご覧ください。
Francesco Zarantonello et al. Prone Position and Lung Ventilation/Perfusion Matching in Acute Respiratory Failure Due to COVID-19. Am J Respir Crit Care Med, 2020.
https://www.atsjournals.org/doi/abs/10.1164/rccm.202003-0775IM