日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

早期離床リハビリテーションの理論と実践 クイズ3

臥床による筋機能低下の離床クイズ

急性期において筋萎縮を評価する際、超音波エコーを用いて筋断面積から筋量を推定しますが、正確な筋力を評価することはできません。寝たきりにおける筋量と筋力の低下について、以下の質問に答えてみましょう。

Q. 急性期における寝たきり患者の筋量の低下率と筋力の低下率は、それぞれどのような関係にあるでしょうか?

選択肢:

  1. 筋量の低下率が筋力の低下率よりも高い
  2. 筋量の低下率と筋力の低下率は同じ
  3. 筋力の低下率が筋量の低下率よりも高い
  4. 筋量は変わらず、筋力のみが低下する

正解 3.
  • 筋力の低下率が筋量の低下率よりも高い
  • スロベニアのベッドレスによる筋力の変化に関する研究1)によると、寝たきりによって筋断面積(筋量)は18.6%低下する一方、筋力は32.4%と筋量の2倍近く低下することが示されました。寝たきりの評価では筋肉の量に目が行きがちですが、筋機能の低下がより深刻であることを意味しており、筋力の維持が特に重要であることを示しています。

    ベッドレストによる筋量と筋力の変化1)

    1)Uros Marusic,Marco Narici et al,Nonuniform loss of muscle strength and atrophy during bed rest; a systematic review.J Appl physiol.131,2021:194-206

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