慢性疼痛の患者さんにとって、痛みの管理は非常に困難で、離床や外出の機会減少につながります。そんな慢性疼痛の患者さんに対する、認知行動療法が与える影響に焦点を当てた、興味深い研究が広島大学の吉野先生らから報告されました。
この研究は、慢性疼痛患者さんを対象に、毎週90分間12回の認知行動療法(CBGT)が、痛みの強度や心理的健康に与える影響を調査しています。認知行動療法とは、心理療法の一つで、思考(認知)と行動に焦点を当てて、より良い心理状態を目指す治療法です。
その結果、認知行動療法により、痛みの強度が治療前(平均73.6)から治療後(平均55.5)にかけて有意に減少し、痛みの認知、抑うつ症状も治療後に有意な改善を示したということです。慢性疼痛を訴える方は、すぐに薬に頼ってしまったり、心理的な痛みだから仕方がない…と、諦めてしまいがちですが、認知行動療法を正しく実践することで、特別な治療を行わずとも、改善につなげる可能性があると感じる研究です。
下記の原典では、慢性疼痛患者さんに対する認知行動療法の効果について、詳細なデータと表で見ることができ、参考になります。是非、ご覧ください。
Atsuo Yoshino et al.Clinical effects of online cognitive behavioral group therapy for chronic pain patients and developing a therapeutic alliance: A pre–post pilot trial.Health Sci Rep. 2024 May; 7(5): e2141.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC11112632/
この情報が皆さんの診療に役立つことを願っております。
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