慢性心不全患者さんの離床レベルを考える上で、予後やリスクを把握することは重要です。そんな慢性心不全の患者さんに対する、血液データを使った新しい予後予測の方法についての興味深い研究報告が届きました。
この研究は、心不全(HF)患者さん861名を対象に、尿酸(UA)とN末端プロB型ナトリウム利尿ペプチド(NT-proBNP)の組み合わせが、予後に与える影響を調査しています。その結果、NT-proBNPにUAを組み合わせることで、予後予測の精度がさらに向上することが示され、UAのカットオフ値は7 mg/dL、NT-proBNPのカットオフ値は2279 ng/Lで、UAとNT-proBNPの両方が高い患者さんでは、予後が特に悪化する傾向が見られたということです。1つのデータだけで離床のリスクや予後を判断するのではなく、組み合わせでみることが重要だと感じる研究です。
下記の原典では、心不全の重症度別の血液データを見ることができ、とても参考になります。是非、ご覧ください。
【文献情報】
Gülsüm Meral Yılmaz Öztekin et al. Prognostic value of the combination of uric acid and NT-proBNP in patients with chronic heart failure.Hellenic Journal of Cardiology Volume 65, May–June 2022, Pages 35-41
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1109966622000537?via%3Dihub.
この情報が皆さんの診療に役立つことを願っております。
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