脳卒中後の超早期離床は、予後に悪影響を与える可能性が報告されていますが、脳出血に限った場合はどうなのでしょうか。そんな、脳出血の超早期離床と予後について興味深い報告が届きました。
この研究では、脳出血患者さん1372名を対象に、24時間以内に離床した場合の死亡率と入院後72時間以内の血圧の関連性について調査しています。その結果、24時間以内に離床した人のうち、30日以内に死亡した人は3%、24時間以内に離床ができなかった人の死亡率は31%でした。また、24時間以内に離床をすると、平均収縮期血圧の低下し、収縮期血圧の変動は少ないことがわかりました。24時間以内に離床できなかった患者さんの死亡率が、24時間以内に離床した患者と比べて10倍も高くなったとは驚きです。
血圧の変動は脳出血の予後不良と関連していることが知られていますが、今回の研究結果では、24時間以内に離床すると血圧の変動が少なく、それが死亡率の低下につながった可能性が示唆されています。下記の原点では、離床の内容や血圧の変動など具体的な情報をみることができ、参考になります。是非、ご覧ください。
Ulrike Hammerbeck et al.Early mobilisation is associated with lower subacute blood pressure and variability in ICH: A retrospective cohort study.Observational Study J Stroke Cerebrovasc Dis. 2023 Jul;32(7):106890.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37099928/
この情報が皆さんの診療に役立つことを願っております。
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