脳卒中に比べて、脳挫傷の患者さん対する、離床の効果や安全性は明らかになっていません。
そのような脳挫傷患者さんの離床に関して、参考になる報告がデンマークから届きました。この研究では、重症脳挫傷の患者さんに対して、通常のケアに加えて、ヘッドアップを実施した効果や安全性を調査しました。
ヘッドアップは週5日、70度の角度で20分を4週間実施されました。その結果、ヘッドアップ実施により有害事象は増えることがなく、安全に実施可能であったということです。重症脳挫傷では意識障害や神経障害を起こすことがあり、合併症を起こすリスクが高いため、ヘッドアップは有用なアプローチになると感じる報告です。
下記原典では、詳細な介入内容や、ADLへの影響をみることができ参考になります。
是非、ご覧ください。
Christian Gunge Riberholt et al. Early Orthostatic Exercise by Head-Up Tilt With Stepping vs. Standard Care After Severe Traumatic Brain Injury Is Feasible. Front Neurol. 2021; 12: 626014.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8079637/
この情報が皆さんの診療に役立つことを願っております。
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