心不全患者さんは、心機能が低下しているので、積極的に離床が進められないこともあるかもしれません。
しかし、治療のために安静が続けば、合併症の発生やデコンディショニングからADL低下のリスクもあり、離床のタイミングに悩みます。
そのような悩みに参考となる報告があります。
この研究では、100名以上の急性心不全患者さんについて、退院後に悪化する要因を調査しています。その結果、急性心不全で「入院後の歩行開始が8日以降」と遅いことが、退院後の悪化に関連していたというのです。長期的な予後も意識して、心機能などリスク管理を十分行いつつも、早い時期から離床・歩行を行うことが重要な可能性があります。
下記原典では、心不全患者さんの歩行が遅くなる要因についても報告しており、とても参考になります。是非、ご覧ください。
Koji Ishikawa et al. Clinical Impact and Associated Factors of Delayed Ambulation in Patients With Acute Heart Failure. Circ Rep. 2020 Apr 5;1(4):179-186.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33693135/
この情報が皆さんの診療に役立つことを願っております。
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