気管チューブ抜管後の問題として、嚥下障害が注目され始めていますが、臨床では対応に苦労することも多いかもしれません。
そのような抜管後の嚥下障害で参考となる報告が、アメリカから届きました。
Brodsky らは、抜管後の嚥下障害に関する過去の報告をまとめ、問題点や対策を提案しています。
結論としては、抜管後の嚥下障害に対しては、言語聴覚士や医師・看護師を中心とした多職種チームが、連携してアセスメントや対策に取り組むことが重要であるとしています。
例として、看護師は抜管後の嚥下スクリーニングテスト、医師は必要に応じてVE検査の実施、言語聴覚士は嚥下訓練や食事開始など、情報は共有しながら、役割を分担するというやり方が提案されています。
臨床では、言語聴覚士がいると嚥下については任せきりになりがちですが、多職種が問題を共有し、連携して関わることが大切だと感じる報告です。
下記原典では、呼吸と嚥下の関係をみる必要性や、抜管後の嚥下障害を早期に発見するためのスクリーニングテストが紹介されていて、とても参考になります。
是非、ご覧ください。
Martin B. Brodsky et al. Post-extubation Dysphagia: A Problem Needing Multidisciplinary Efforts.Intensive Care Med. 2020 Jan; 46(1): 93?96.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7219527/