日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【COPDにはスパルタリハ!?】Dr中西の離床面白エビデンス

人気コーナー「Dr中西の離床面白エビデンス」の最新情報をお届けします!
このコーナーでは、当会の医師部会の中西医師が“これは面白い”という、離床にまつわるエビデンスを紹介。
中西節でわかりやすく、楽しく、ユーモアを交えて教えてくれます。

*********************************

みなさんこんにちは。筋萎縮ゼロプロジェクトの中西です。

今回は「COPDにはスパルタリハ!?」という内容を紹介します。離床・リハビリってどういう人には特に頑張って、どういう人にはそこまでする必要がないのでしょうか。いろんな分野で離床・リハビリの重要性がいわれてきて、その通り行っていたら需要に供給が追いつかないですよね。

たとえばCOPDの患者さんではどうしたらよいでしょうか。そのような疑問に答える研究が報告されました。

インドのSajadさんは、人工呼吸器管理を受けるCOPDの患者さんを、強化リハビリテーションを受ける群と一般的なリハビリテーションを受ける群の、2群に分けて、無作為化比較試験を実施しました。もちろん、無作為化比較試験でリハビリテーションをしないというわけにはきませんので、普通のリハビリテーションは両群に実施していますが、介入群では追加でearly active rehabilitation exercises, including limb strength training and progressive mobility tasksを受けたと記載があります。

つまり、介入群の方が早期から程度の強い積極的なリハビリが実施されたというみたいですが、実際どれくらいリハ強度や実施時間の違いあったのかは、本文を読んでも判然としませんでした。。。 ここは目をつむりましょう。。。

患者さんは介入群と対象群で15人、15人に振り分けられたようです。介入群の方が、人工呼吸期間が短くなり、ICU滞在日数も短くなったようですが、生命にかかわらないような生理学的変化などの有害事象は多かったようです。NEJMのTEAMSトライアルでもありましたが、早期にリハビリを強化しすぎるとやはり生理学的な変化はあると思いますので、そこは有害事象とまではいえないかもしれないですね。

ちょっと対象患者さんは少なく、内容も不安なところもなきにしもあらずですが、COPDの患者さんには積極的にリハビリテーションを頑張った方がよいという結果ですね。いろんなリミテーションがあったとしても、こういった小さな無作為化比較試験が集まってメタアナリシス、ガイドラインへとつながっていきますので、非常に重要な研究だと思います。

確かにCOPDが背景にある患者さんだと人工呼吸器の離脱に苦労したり、自宅退院できなかったりと大変なことも多いかと思いますので、早期からリハビリと栄養療法を頑張っていきたいですね。明日からこの論文をみせて、COPDの患者さんへの介入時間を増やしてみてはどうでしょうか。働き方改革に逆行してるかな(泣)

Implementing Early Rehabilitation Strategies for Chronic Obstructive Pulmonary Disease (COPD) Patients Undergoing Mechanical Ventilation in the Intensive Care Unit
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11608637/

【Dr中西先生の筋萎縮専門講座を開催!】
筋萎縮ゼロプロジェクト 急性期における筋アセスメントと最強アプローチ 2回コース
※2回まとめて申込みで2000円クーポンプレゼント
https://www.rishou.org/seminar/theory/x14-2025#/

【単回受講もできます】
1月21日(火) 19:00~21:00 ※2週間見逃し受講期間有り
筋萎縮ゼロプロジェクト 評価編 急性期における筋アセスメントの極意 ~評価方法と最新のエビデンスを2時間で全て教えます!~
https://www.rishou.org/seminar/theory/r71-2025#/

2月4日(火) 19:00~21:00 ※2週間見逃し受講期間有り
筋萎縮ゼロプロジェクト アプローチ編 とっておきのメソッドで実現する 筋力を守る最強アプローチ ~早期離床・栄養・EMS・床上エルゴメーター~
https://www.rishou.org/seminar/theory/r78-2025#/

皆様の申し込みを心よりお待ちしております。