人気コーナー「Dr中西の離床面白エビデンス」の最新情報をお届けします!
このコーナーでは、当会の医師部会の中西医師が“これは面白い”という、離床にまつわるエビデンスを紹介。
中西節でわかりやすく、楽しく、ユーモアを交えて教えてくれます。
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みなさんこんにちは。筋萎縮ゼロプロジェクトの中西です。
今回は「カヘキシアの新基準」という内容を紹介します。カヘキシアをご存知でしょうか。新しい鳥の名前ではありません。
カヘキシアとは悪液質といい、がんや慢性心不全、慢性腎不全、自己免疫疾患などの慢性疾患を背景とした低栄養で筋肉量が低下した状態です。2023年にカヘキシアの新しい基準がでました。Asian Working Group for Cachexia (AWGC)ではカヘキシアを新しく以下のように定義しました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37667992/
(1) 慢性消耗性疾患
(2) BMI < 21 kg/m2 or 3~6ヵ月での2%超の体重減少
(3) 以下の1つ以上を満たす
・握力低下 (男性 28 kg未満、女性 18 kg未満)
・CRP > 0.5 mg/dL
・食欲不振
今回紹介する研究は、AWGCの新基準で評価したカヘキシアが、心不全の患者でどれくらい該当するか調べたものです。
AWGCの新基準で評価したカヘキシア
Evans’s criteriaで評価したカヘキシア
サルコペニア
GLIMで評価した低栄養
それぞれに該当した患者は以下のようになりました。
AWGCの新基準で評価したカヘキシア:74.1%
Evans’s criteriaで評価したカヘキシア:36.2%
サルコペニア:20.6%
GLIMで評価した低栄養:55.2%
なんと、心不全患者の実に3/4がカヘキシアに該当したようです。
そもそも、AWGCの新基準とその他の基準のどれが有用なのでしょうか。AWGCの新基準は心不全の死亡率と有意な関係はなかったようですが、Evans’s criteriaで評価したカヘキシア、サルコペニア、GLIMで評価した低栄養のいずれも心不全の死亡率と有意な関係にあったようです。心不全ではAWGCの新基準で評価したカヘキシアは過剰評価になっているのでしょうか?
もちろん、一つの研究だけで結論付けできないとは思いますので、今後の研究も必要ですね。AWGCの新基準で評価したカヘキシアが、さまざまな疾患で有効か研究が必要ですね!カヘキシア、サルコペニア、フレイル、グリムっていっぱい出てきて勉強がおいつきませんね(泣)
Prevalence and Prognostic Value of Cachexia Diagnosed by New Definition for Asian People in Older Patients With Heart Failure
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/jcsm.13610
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