日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【体組成計でICU-AWが評価できる?】Dr中西の離床面白エビデンス

人気コーナー「Dr中西の離床面白エビデンス」の最新情報をお届けします!
このコーナーでは、当会の医師部会の中西医師が“これは面白い”という、離床にまつわるエビデンスを紹介。
中西節でわかりやすく、楽しく、ユーモアを交えて教えてくれます。

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みなさんこんにちは。筋萎縮ゼロプロジェクトの中西です。

今回は「体組成計でICU-AWが評価できる?」という内容を紹介します。

皆さん、ICUで体組成計を使用していますか?体組成計とは通称で、正式には生体電気インピーダンス法(BIA:Bioelectrical Impedance Analysis)といいます。BIAは、生体に感知できないほどの電気を用いて、電気抵抗から体の筋肉量や細胞の水分量などのパラメータを評価する方法です。

この研究では、282人の患者が対象となり、ICU-AWと非ICU-AWに分けてBIAのデータを比較しています。その結果、ICU-AWの方が細胞外水分量/総水分量が高く、筋肉量自体はICU-AWと非ICU-AWで差がなかったようです。この結果から、重症な患者さんは血管透過性が高く、細胞外水分量も多くなりICU-AWになりやすいことや、筋肉量も水分量の影響を受けているようにも思いました。

さらに今回の研究で、ICU-AWの人は、位相角が低値になるということがわかりました。位相角というのは細胞膜の健康度や細胞の構造的な安定性を反映する指標で、簡単にいうと、筋肉の質を表していると理解すればよいと思います。急性期以外でも、多くの研究で位相角が低いと、筋肉の質が低値であると報告されていて、比較的水分量の影響も受けにくい数値です。今回の研究結果から、位相角であればICUでもICU-AWの評価などに、有効かもしれないと示唆されましたね。

「でも、うち体組成計ないから..」という方はこの論文をもって病院長に交渉ですね(笑)この研究も日本からの報告です。日本からどんどんエビデンスを発信していきたいですね!

Association between the development of intensive care unit-acquired weakness and body composition at intensive care unit admission: A descriptive study
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0883944124004209

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