日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【患者家族は離床をどう思っている?】Dr中西の離床面白エビデンス

人気コーナー「Dr中西の離床面白エビデンス」の最新情報をお届けします!
このコーナーでは、当会の医師部会の中西医師が“これは面白い”という、離床にまつわるエビデンスを紹介。
中西節でわかりやすく、楽しく、ユーモアを交えて教えてくれます。

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みなさんこんにちは。筋萎縮ゼロプロジェクトの中西です。

今回は「患者家族は離床についてどう思っているか?」という内容を紹介します。早期離床が重要なことは、医療従事者ではほぼ常識になってきましたが、依然として患者家族にとっては、なぜそんなにすぐに離床をしないといけないのか理解できず、そのギャップがトラブルになることさえあります。病人は寝ていたほうがよいというのが一般の方の感覚で、PICS予防のために離床をした方がよいなんてなかなか知らないですよね。

そこで、どのように患者家族に離床の重要性を知ってもらえばよいでしょうか。オーストラリアのグループはそんな問題を解決するための質問表を作りました。

知識、思考、自信、準備の4つからなります。知識は長期臥床をしているとどうなるか理解しているかなど、思考は離床の重要性について考えたことがあるかなど、自信は家族の離床について質問する自信があるかなど、準備は一緒にリハビリをする準備はあるかなどが含まれます。なかなか英語を日本語にすると分かりにくいですね(汗)

簡単にいうと患者家族が臥床のリスクを知っていて、離床の重要性を理解して、一緒に離床に参加したいと思っているか、しっかりと評価しようという質問票です。この研究では、この質問票の信頼性と妥当性も確認されています。

患者の離床は重要視されてきましたが、患者家族については今までそこまで焦点があたってこなかったので、この質問紙を使って、家族の評価を行ってみても良いかもしれませんね。

Psychometric Testing of an Instrument Assessing Family Knowledge, Contemplation, Confidence and Readiness for Engaging in Early Mobilisation of Critically Ill Patients: A Multi-Site Cross-Sectional Design
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/pdf/10.1111/jan.16415