急性期で炎症が亢進している患者さんは、タンパク合成が阻害されているため、離床のタイミングを見誤ると状態悪化につながるリスクがあります。そんな高炎症状態での離床の影響について、興味深い報告が届きました。
この研究は、人工呼吸器が装着され、高炎症状態にある患者さんを対象に、ベッド上で行う下肢の他動運動・床上エルゴメーター・CPMによる連続運動が、筋力低下や炎症・免疫系にどのような影響を与えるのかを調査しています。その結果、ベッド上での活動は、炎症性サイトカインであるTNF-αやIL-6を減少させ、抗炎症作用のあるIL-10の増加を認めたということです。急性期の患者さんは、積極的離床を進める前に、炎症マーカーを細かくチェックすることが重要だと感じる研究です。
下記の原典では、具体的な介入内容と炎症マーカーの推移を見ることができ、参考になります。是非、ご覧ください。
Rahel Vollenweider et al.Passive motion of the lower extremities in sedated and ventilated patients in the ICU – a systematic review of early effects and replicability of Interventions.PLoS One. 2022; 17(5): e0267255.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9098053/
この情報が皆さんの診療に役立つことを願っております。
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