日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【タイミングが重要!】橈骨遠位端骨折の術後に効果のある意外なアプローチ

橈骨遠位端骨折の患者さんに対する早期介入が、予後に与える影響を調査した興味に深い報告が届きました。

この研究は、橈骨遠位端骨折の手術を受けた患者さんを対象に、術後2週間以内に開始する握力トレーニングプログラム(EGTP)の効果について調査しています。その結果、橈骨遠位端骨折の患者さんに対する、早期握力トレーニングプログラム(EGTP)は、手術から6ヶ月後には健側手と比べて握力が90%以上に回復し、筋力・可動域ともに通常のリハビリよりも有意に改善が得られたということです。握力というシンプルな介入でも、適切なタイミングで実施することが重要だと感じる研究です。

下記の原典では、早期の握力トレーニングの効果を示す詳細なアウトカムをみることができ、参考になります。是非、ご覧ください。

Yoshio Kaji et al.Postoperative early and proactive grip strength training program for distal radius fractures promotes earlier recovery of grip strength.Medicine (Baltimore). 2022 May 13; 101(19): e29262.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9276271/

この情報が皆さんの診療に役立つことを願っております。

[根拠に基づく手関節骨折のリハビリを学びたい方は]
6月30日(日) 10:00~16:10 ※2週間見逃し受講期間有り
根拠がわかる整形/運動器疾患へのアプローチ 手関節骨折に対する根拠に基づく機能改善とADLアプローチ
【講師】成田 大地 先生
https://www.rishou.org/seminar/theory/r209-2024#/