日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【スペンサーテクニックは効く?】肩関節に関する最新エビデンス

肩関節周囲炎の患者さんは、痛みや動きの制限の改善に難渋することがありますが、肩関節周囲炎のアプローチについて、とても興味深い報告が届きました。

この研究は、中等度から重度の肩関節周囲炎を持つ患者さん20名に、肩関節を受動的にリズミカルに動かし、筋・靭帯・関節包をストレッチする、スペンサーテクニックを行い、痛み、可動域、および肩の機能障害への影響を評価しました。その結果、スペンサーテクニックにより、痛みや可動域の向上、肩の機能が大きく改善したということです。治療から3週間後にはすでに良い結果が見られ、その効果は6ヶ月のフォローアップ調査でも持続していることが確認されました。肩関節周囲炎を担当した際に悩まされる痛みや可動域制限ですが、スペンサーテクニックも、手技の引き出しの1つとして使えそうだと感じる研究です。

下記の原典では、スペンサーテクニックの具体的な方法や手順を見ることができ、参考になります。是非、ご覧ください。

【文献情報】
Pratik Phansopkar et al. Impact of Spencer Technique on Pain, Range of Motion, and Functional Disability in Patients With Frozen Shoulder: A Pilot Study.Cureus. 2024 Jan; 16(1): e53263.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10904876/

この情報が皆さんの診療に役立つことを願っております。