日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【積極的な介入の工夫】急性期の離床に関する最新エビデンス

急性期の患者さんは、早期から立位・歩行など高い活動レベルの離床を実施することが難しいことがあります。そんな急性期患者さんの積極的な離床について、興味深い報告が届きました。

この研究は、人工呼吸器を装着している患者さんを対象に、移動式患者リフトを使用して積極的な離床をはかることで、離床の達成度や身体機能を調査しています。介入は、端座位までの離床を、1日に2〜3回、最大20分間を通常ケアとして、介入群では、さらに移動式患者リフトを使用して、座位や立位、移乗、歩行が行われました。

その結果、端座位までの離床に加え、移動式患者リフトでの離床を行うことで、立位を達成するまでの時間が有意に短縮され、ICU退院時の身体機能レベルが高いことがわかったということです。人工呼吸器を装着している患者さんは、積極的な離床にマンパワーが必要なために十分できないことがありますが、機器を活用することで早期の回復を支援できる可能性があると感じる研究です。

下記の原典では、移動式患者リフトを使用することにより離床の変化を、詳しく見ることができ参考になります。是非、ご覧ください。

【文献情報】
Suzuk Ginga et al.Early Mobilization Using a Mobile Patient Lift in the ICU: A Randomized Controlled Trial.Critical Care Medicine ():10.1097/CCM.0000000000006219, February 06, 2024.
https://journals.lww.com/ccmjournal/fulltext/9900/early_mobilization_using_a_mobile_patient_lift_in.285.aspx

この情報が皆さんの診療に役立つことを願っております。

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