日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【筋肉で褥瘡予防!?】Dr中西の離床面白エビデンス

人気コーナー「Dr中西の離床面白エビデンス」の最新情報をお届けします!
このコーナーでは、当会の医師部会の中西医師が“これは面白い”という、離床にまつわるエビデンスを紹介。
中西節でわかりやすく、楽しく、ユーモアを交えて教えてくれます。

*********************************

みなさんこんにちは。筋萎縮ゼロプロジェクトの中西です。

今回は「筋肉で褥瘡予防!?」を紹介します。筋肉ってやはりすごいです!なんと筋肉があると、褥瘡ができにくいようです。今回のテーマは、筋トレファン必読の筋肉と褥瘡の関係についてです。

トルコのDurakさん達は、超音波で測定した大腿直筋の筋厚などと、褥瘡発生について調べました。褥瘡は入院患者さんの3%から14%に発生するといわれています。褥瘡は疼痛や感染など様々な悪影響をもたらすので、どのような患者さんに褥瘡ができやすいか、またできにくいか知ることは重要ですね。

Durakさんは、緩和ケア病棟で50人の入院患者さんを対象に調べました。その結果、42%の患者さんに褥瘡を認めたということです。緩和ケア病棟で、褥瘡の発生がここまで高いとは知りませんでした。

褥瘡を認めた患者さんにおいて、超音波で測定した大腿直筋の筋厚、筋断面積が小さかったようです。ちなみに、尿道カテーテル、おむつ使用、低アルブミンも褥瘡のリスク因子であったようです。確かに筋肉が多いと、骨による圧迫などが減って保護的に働きそうですね。意外とありそうでなかった研究結果です。日頃からの筋トレが大事ですね。

The relationship between pressure injuries and ultrasonographically measured rectus femoris muscle thickness
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38103986/