日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【呼気ではなく吸気!?】呼吸介助に関する最新エビデンス

徒手的呼吸介助は、実施するリスクも報告されていますが、重症呼吸不全の患者さんに対しては、どのような影響があるのでしょうか。そんな、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の患者さんの肺胞過膨張に対する、呼吸介助の影響について興味深い報告が届きました。

この研究では、ARDSの患者さんに対して、呼吸介助が及ぼす影響や効果を調査しています。具体的な方法は、吸気時に呼吸介助を行い胸壁を圧迫し、そのまま数回の呼吸の間キープし、呼吸介助を解除する方法が行われました。肺胞の過膨張は、ピーク気道圧・駆動圧・ピーク気道内圧などを用いて評価されています。その結果、吸気時に呼吸介助で胸壁をすることで、気道内圧が徐々に減少し、肺過膨張を予防する可能性があるということです。徒手的呼吸介助は、通常呼気を介助することが多い手技ですが、吸気時に圧をかけるというのはユニークな介入だと感じる研究です。

下記の原典では、呼吸介助の具体的な方法や効果のメカニズムなどを見ることができ、参考になります。是非、ご覧ください。

John J. Marini.et al.Bedside Detection of End-Tidal Hyperinflation in Acute Respiratory Distress
Syndrome.ORCID ID: 0000-0002-9851-2076 (JJM).
https://doi.org/10.1513/AnnalsATS.202205-460PS

この情報が皆さんの診療に役立つことを願っております。

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【講師】飯田 祥 先生
【広島講演】広島市東区民文化センター
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