日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【早期作業療法が社会復帰へのキー!?】Dr中西の離床面白エビデンス

人気コーナー「Dr中西の離床面白エビデンス」の最新情報をお届けします!
このコーナーでは、当会の医師部会の中西医師が“これは面白い”という、離床にまつわるエビデンスを紹介。
中西節でわかりやすく、楽しく、ユーモアを交えて教えてくれます。

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みなさんこんにちは。筋萎縮ゼロプロジェクトの中西です。

今回は「早期作業療法が社会復帰へのキー!?」を紹介します。早期離床・リハビリがうたわれる昨今ですが、作業療法はどのタイミングで開始するのがよいのでしょうか?そんな疑問に答える研究が報告されました。

オーストラリアのBeckさん達は、単施設で早期作業療法の有用性について、ICUの人工呼吸管理された患者さんを対象として無作為化比較試験を行いました。ICU入室早期から作業療法をうける群と、通常のケアの群に振り分けてADL、身体機能、認知機能などを比較しました。対象となったのは30人のようです。作業療法の内容としては、上肢のリハビリや認知リハビリなどのようです。結果はどうだったのでしょうか。

主要評価項目である、無作為化90日後のADLとして評価されたFIM(Functional Independence Measure)は、有意に介入群で良かったようです。副次評価項目である身体機能、認知機能、QOLなどにもそれなりの効果があったようです(本文が読めず少しごまかしてます 泣)。

今回のサンプルサイズは実施可能性を評価するのに重点をおいたようで、今後大きな研究が必要かもしれませんが、早期作業療法は安全に施行でき、患者さんの社会復帰に対して重要な役割を増やしそうです。それでは明日から全員、早期作業療法で!っていうと作業療法士さんにしばかれそうですね 汗

どのような患者さんに早期作業療法を行うか、患者さん自身がベッドサイドでできる作業療法などあるか、今後のさらなる研究が待たれます。日本の優秀な作業療法士の今後の研究に期待です!

Efficacy of Early Enhanced Occupational Therapy in an Intensive Care Unit (EFFORT-ICU): A Single-Site Feasibility Trial
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38015492/

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