日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【ついにでた!J-ReCIP 2023!!】Dr中西の離床面白エビデンス

人気コーナー「Dr中西の離床面白エビデンス」の最新情報をお届けします!
このコーナーでは、当会の医師部会の中西医師が“これは面白い”という、離床にまつわるエビデンスを紹介。
中西節でわかりやすく、楽しく、ユーモアを交えて教えてくれます。

*********************************

みなさんこんにちは。筋萎縮ゼロプロジェクトの中西です。

今回は「ついにでた!J-ReCIP 2023!!」を紹介します。皆さん、ついにJ-ReCIP 2023が発表されました。えっ、J-ReCIP 2023って何かって……なんかの日本料理のレシピではないですよー

J-ReCIPというのは簡潔にいうと、Japan-Rehabilitation Critically Ill Patientsの頭文字をとったもので、重症患者におけるリハビリテーションの日本からの推奨になります。さてさて、どのようなことが推奨されているのでしょうか。思い切って全部みてみましょう!!皆さんがガイドラインを大好きなのを知っています(笑)

1分でみれるようにざっくりとです。

CQ1:重症患者でリハビリテーションプロトコールは使用されるべきか→することを提唱
たしかに必要ですよね。

CQ2:1日に何単位もリハビリをすべきか→することを提唱
なるほど、理学療法士さん忙しくなりそう!頑張りましょう 泣

CQ3:EMSやエルゴメーターを使用すべきか→すること提唱
EMSやエルゴメーター好きの皆さん、ついにポジティブな提唱がでてきましたね!

CQ4:ICUでの嚥下機能障害の頻度は→まだよく分からないようです。
まだまだこれからの分野なんですね。

CQ5:嚥下評価に内視鏡を使用しますか→使用することを提唱
これは使用できる環境整備が必要ですね。

CQ6:嚥下リハは必要か→することを提唱
嚥下リハを積極的にできてない施設が多いですよね。課題です。

CQ7:離床やリハビリの基準は→テーブルでまとめられてます。
離床開始基準などを具体的な数字で提示してくれているのはとても分かりやすいです。英語のテーブルですが、皆さん必見です!

CQ8:離床中止基準は→テーブルでまとめられてます。
こちらも必見のテーブルです!

CQ9:ICU入室4-10日目の亜急性期にカロリーを20 kcal/kg/day以上、または必要カロリーの70%以上投与すべきか→そのように投与することを提唱
超急性期はパーミッシブアンダーフィーディングですが、亜急性期にかけて20 kcal/kg/day以上を目指していきましょう。

CQ10:ICU入室4-10日目の蛋白量を1g/kg/day以上投与すべきか→そのように投与することを提唱
やはり1g/kg/dayをこえる蛋白質は重要ですね。

CQ11:小児の重症患者に早期リハビリテーションプロトコールを導入するべきか→導入することを提唱
小児でも早期リハ重要ですね。

CQ12:人工呼吸管理されている小児に急性期から呼吸理学療法をすべきか→することを提唱
小児でも呼吸リハ重要なんですね。

CQ13:ICU退室後もリハビリを強化すべきか→ICU退室後もしっかりとリハビリをすることを提唱
まさにPICS予防ですね。理学療法士さんはさらに大忙しです 泣

CQ14:重症患者のリハビリに家族も参加すべきか→ここはまだはっきりしないようです。
家族がリハビリに参加することで患者さんのリハビリの意欲が高まったという報告がある一方で、家族への負担が大きかったとの報告もあり、今後の研究が必要な分野です。

ここまで見てお分かりになったかと思いますが、今回のガイドラインは嚥下、小児のリハ、家族のリハ参加など、今まで推奨などが乏しかった分野のエビデンスをまとめてくれています。なので、明日からの臨床におおいに役立つと思います。

今回は1分でわかるようにざっくりと説明しましたが、本当は推奨レベル、エビデンスレベル、その根拠など奥が深いです。しっかりと1日かけて勉強してください!!間違ってても責任はとれません 笑

私もこっそり、このガイドラインの著者に入っておりますので、是非、ご覧ください。

Japanese Clinical Practice Guidelines for Rehabilitation in Critically Ill Patients 2023 (J-ReCIP 2023)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10629099/