日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

【コロコロで痛みとROMが改善】膝関節術後に関する最新エビデンス

最近、疼痛の緩和や関節可動域の改善目的に行うストレッチの代用方法として、ローラーマッサージャーが注目されていますが、術後の患者さんに使用する場合、どのような効果があるのでしょうか?

人工膝関節全置換術(TKA)後の患者さんに、ローラーマッサージャーを使用した場合の効果について興味深い報告が届きました。この研究では、TKAを施行した23名に対し、術後2週目にスティック型のローラーマッサージャーを用いた直後の膝関節の関節可動域と痛みの変化を調査しています。可動域測定は背臥位で測定し、痛みは視覚的アナログスケール(VAS)を用いて評価しています。ローラーマッサージャーは、大腿前面、内側、外側の順で実施されました。その結果、ローラーマッサージャーを行うことで膝関節屈曲の関節可動域が平均で4.1度改善し、疼痛も有意に軽減することが分かりました。ローラーマッサージャーの使用が、術後疼痛の強い患者さんに有用かもしれないと感じる研究です。

下記の原典では、ローラーマッサージャーの具体的な介入方法を見ることができ、参考になります。是非、ご覧ください。

Masanobu Yokochi et al.The acute effect of roller massager on knee joint range of motion and muscle pain in older adults with total knee arthroplasty.J Musculoskelet Neuronal Interact. 2023; 23(2): 223–227.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10233222/

この情報が皆さんの診療に役立つことを願っております。

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