積極的に離床が難しい状況で、ベッド上エルゴメーターが有用な可能性がありますが、心臓外科術後の患者さんに、安全に実施できるかはわかっていません。
そのような疑問に参考となる報告がカナダから届きました。
Newman らは心臓外科術後患者さんに対して、通常の離床やケアに加えて、20分間のベッド上エルゴメーターを実施し、有害事象について調査しました。
その結果、136回セッションのうち、有害事象は3回(2.2%)で、その内容は興奮(RASS+2)、一過性の低酸素血症、不整脈(AF)であり、重大な有害事象はなく、安全に実施可能であるとしています。
心臓外科術後というリスクの高い患者さんでも、ベッド上エルゴメーターが、活動を高め、回復を促す手段になる可能性があると感じる研究です。
下記原典では、患者さんの術式や背景、ベッド上エルゴメーターのプログラムをみることができ、とても参考になります。是非、ご覧ください。
Anastasia N L Newman et al. CardiO Cycle: a pilot feasibility study of in-bed cycling in critically ill patients post cardiac surgery. Pilot Feasibility Stud. 2021 Jan 7;7(1):13.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7788703/
この情報が皆さんの診療に役立つことを願っております。
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