COVID-19による重症呼吸不全に対して、腹臥位の有効性が注目されていますが、施行の際には合併症にも気を配るべきです。
実際に腹臥位による合併症がどのくらい起こるのか、驚きの報告が届きました。
Seguel らは、重症呼吸不全(ARDS)によって人工呼吸器管理となった、約1500例の患者さんについて、腹臥位を実施した際の有害事象について調査しました。
その結果、有害事象として皮膚トラブルや褥瘡が、なんと46.4%も発生したということです。
肺を守るために腹臥位は有効ですが、腹臥位を実施する必要のある患者さんは、浮腫や、深鎮静による体動困難があることから、通常の褥瘡ケアよりも、頻繁に除圧や体位変換が必要と感じる研究です。
下記原典では、上記以外の有害事象とその対策についてもみることができ、とても参考になります。是非、ご覧ください。
Felipe González-Seguel et al. Adverse Events of Prone Positioning in Mechanically Ventilated Adults with Acute Respiratory Distress Syndrome. Respir Care. 2021 Jul 23;respcare.09194.
http://rc.rcjournal.com/content/early/2021/07/23/respcare.09194.short
この情報が皆さんの診療に役立つことを願っております。
※画像の被写体はモデルです。
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