深部静脈血栓症と肺塞栓は、脊椎術後に注意すべき合併症ですが、
薬物療法による血栓予防は、脊椎術後には血腫を引き起こすリスクがあります。
脊椎術後の血栓予防について、
非薬物療法の有効性を示す報告がイギリスから届きました。
Vint らは、前部腰椎椎体間固定術(ALIF)を受けた患者200例に対して、
抗血栓薬の容量を減じ、早期離床や弾性ストッキング・空気圧迫などの非薬物的予防法を
バンドルで行ったことによる、血栓予防効果と合併症の発生を検討しました。
その結果、肺塞栓症の発生はなく、術中出血や術後血腫、消化管出血などの合併症がなく、
安全性と血栓予防効果が確認されたとしています。
下記原典では、離床を含む詳細な血栓予防の実践プロトコルをみることができ、とても参考になります。
是非、ご覧ください。
Helen Vint et al. The Incidence of Venous Thromboembolism in Patients Undergoing Anterior Lumbar Interbody Fusion: A Proposed Thromboprophylactic Regime. Int J Spine Surg. 2021 Apr;15(2):348-352.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8059399/
この情報が皆さんの診療に役立つことを願っております。
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