日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

全国研修会・学術大会 大会長挨拶

大会長挨拶

 昨年「早期離床・リハビリテーション加算」が新設され、多職種によるチーム介入が評価されることとなりました。しかし「早期離床」は、いまや医療者にとって当然の言葉として知られている反面、根拠に基づき組織的に介入できている施設は一体どれだけ存在しているでしょうか。実際の介入場面を思い起こしてみると、「離床」には依然として多くの課題や問題が各施設で生じていることも少なくありません。

また我が国における医療の在り方が、病院完結型から地域完結型へと推し進められています。そのため医療者には、病院医療から生活への移行支援の視点が必要とされてきています。入院前から退院へ向けた取り組みに加算が新設されるなど、この傾向は今後も加速されることが予想されます。

 しかしこのような変化していく制度に、患者の存在が置き去りにされている状況はないでしょうか。加算や制度という大きな波に飲まれ、小さなボートでさまよう患者を、私たちが灯台となり、帆となり支援していくことが求められています。このような思いから、今回の学術大会テーマを「患者を中心に離床を叫ぶ」としました。ぜひ皆さんが「患者を中心とした離床」の実現に取り組む機会を与える学会になるようにしたいと思っています。

第9回 全国研修会・学術大会 大会長 足立 拓也