日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.642 【術創があってもできる?】呼吸介助に関するQ&A

質問

呼吸介助は開腹術後の患者さんにも実施できますか?

回答

結論から言うと実施することができます。但し、痛みには注意が必要です。

通常の呼吸介助を胸郭に行う方法もよいのですが、開腹術後には、バスタオルを重ねて腹部の上におき、タオルの上から手で創部を軽く圧迫するようにすると、咳嗽時の痛みが軽減することが期待できます。これは、圧刺激を創部周囲に加えることで、痛みの神経経路であるAδ線維やC線維と異なる、触圧覚の神経経路であるAβ線維への刺激し、痛み刺激を緩和するという方法です。Aδ線維やC線維に比べAβ線維は、神経線維が太く、神経伝導速度が早いため効果的とされています。

もちろん、呼吸介助や排痰手技は、離床を進めるための補助手段ということを忘れずに、工夫して実施してみてください。

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