質問
人工呼吸器患者さんの離床時に呼吸評価で特に注意することは何ですか?
回答
PEEP(Positive End-Expiratory Pressure:呼気終末陽圧)、呼吸数、呼吸補助筋の活動の3点は特に注意して評価しましょう。
呼気の終わりに肺に一定の圧をかけることで、肺胞が完全に虚脱するのを予防する仕組みが「PEEP」です。離床時に患者さんの動きによって呼吸回路に圧漏れが生じると、PEEPが低下して肺胞が虚脱し、酸素飽和度が低下する恐れがあるため、PEEPが適切に保たれているかを確認しながら離床しましょう。低圧アラームが鳴る場合には、呼吸回路に圧漏れが生じている可能性があるため、呼吸回路の接続の緩みや外れはないかとカフ圧が適切であるかを確認し、必要に応じて調整が必要です。
また、離床時に「呼吸数」が増えると肺に負担がかかり、肺損傷のリスクが増すほか、循環器系への負荷や酸素飽和度の低下をきたします。自発呼吸も含めた呼吸数が30回/分を超えないようにすることを目安に、離床時の動作負荷量を調整しましょう。
「呼吸補助筋の活動」では、努力して呼吸を行うときには通常の呼吸では使用しない、斜角筋、胸鎖乳突筋、僧帽筋や腹筋群といった呼吸補助筋が過活動すると、呼吸効率が悪くなり酸素消費量が多くなります。努力性呼吸が持続すると、肺へのダメージが大きくなるリスクがあるため、呼吸数同様にチェックを行い、離床の負荷量を調整しましょう。
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