質問
フレイルの評価では、身体的フレイルに着目されがちで、認知・精神を見落としそうですが、認知・精神的フレイルの評価をするにはどうすればいいですか?
回答
認知・精神的フレイルの評価には、「イレブンチェック」を使うことをお勧めします。イレブンチェックは、「栄養」4項目、「運動」3項目、「社会参加」4項目の計11項目から構成され、栄養や身体活動に加えて社会性の低下にも注目する点が特徴です。
千葉県柏市で行われた65歳以上の高齢者を対象にした前向きコホート研究(柏スタディ)では、イレブンチェックの妥当性が検証されました。研究結果では、合計スコアの閾値が4/5点で最も正確とされ、5点以上は高リスク群、5点未満は低リスク群として分類されています。5点以上の高リスク群では、フレイルやサルコペニアの有症率が有意に高いことが確認されました(文献1)。
イレブンチェックの中でも、社会参加の4項目は、認知・精神的フレイルの重要な指標です。「昨年と比べて外出の回数が減っていますか?」は閉じこもりを、「1日に1回以上、誰かと一緒に食事をしますか?」は社会的ADLを、「自分が活気に溢れていると思いますか?」はうつ状態を、「何よりもまず、物忘れが気になりますか?」は認知機能をそれぞれ評価しています。上記の項目にチェックがある場合、認知・精神的フレイルに注意が必要です。
身体的フレイルの評価に加え、認知・精神的フレイルもチェックし、多職種で対策をして進行を予防するようにしましょう。
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