質問
片麻痺患者さんの立ち上がり動作で、離臀前の前方への重心移動が不十分ということが動作分析でわかりました。どのようにアプローチをしていけばいいですか?
回答
脳卒中の患者さんに限らず、座位での重心前方移動が不十分なまま立ち上がろうとして、後ろの座面にドスン、と尻餅をつくようにして立ち上がりができないケースは経験しますよね。重心前方移動が不十分と聞くと、骨盤が後傾しているから、と思い浮かびますが、骨盤の前にみるべきところがあります。少し考えてみてください。
それは「足関節」です。端座位で、脚を伸ばして、足関節底屈位で床についた状態で、重心を前にもっていこうとしてください。健常者だと無理矢理にできなくはないですが、かなり努力性になると思います。片麻痺患者さんでは、まさに尖足で下肢伸展位となるため、骨盤が後傾して重心が後方にいきやすいのです。
この状態で骨盤の前傾を促してもうまくいくはずがありません。足関節の可動域を確保し、背屈位での設置を促し、骨盤や体幹の重心が前方に移動して立ち上がりの動作にはいっても、筋緊張が過剰に亢進して尖足にならないように、重心移動の練習を繰り返しましょう。
動作は支持基底面と重心の関係で成り立つので、ポイントではなく、全体のつながりを意識してみるようにしましょう。
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