質問
脊椎圧迫骨折後に偽関節となってしまったケースのリハビリは何に注意して進めればよいですか?
回答
脊椎圧迫骨折後の偽関節は、椎体の骨折だけではなく、神経が通る椎弓の骨折もある場合に起こるため、むやみに動くことで椎体が圧潰し神経障害のリスクとなります。
しかし、椎体の圧潰や神経障害を警戒して、「安静にしなければ」と臨床で動いてしまうケースを目にしますが、それは間違いです。偽関節が生じてしまった場合のリハビリのポイントは、「局所の安静」と「活動性維持」のバランスです。さらなる骨の変形や痛みによる機能障害を防ぐためにも、ADLや運動において「局所の安静」のために特定の注意が必要です。重い物を持ち上げるような活動や、脊柱に負荷をかける運動は避け、痛みの管理や身体機能の回復に焦点を当てたリハビリテーションが推奨されます。
保存療法では偽関節の周囲に化骨ができるまで安静が必要なので、できる限り硬性コルセットで固定し、安静にすることの大切さを患者に伝えましょう。とくに、寝た姿勢から起き上がるとき、座っている状態から立ち上がるとき、長く同じ姿勢で座っているときなどで痛みが強くなる傾向があります。痛みを管理して「活動性維持」するために、姿勢変換による脊椎へのダメージを回避しましょう。
具体的には、起き上がりや立ち上がり動作のときに、脊椎に極力動きを入れずに行えるように動作を指導することがポイントです。また、脊椎に負担がかからない姿勢での下肢筋力増強訓練や、腹式呼吸を活用した有酸素運動などで体力・持久力の維持も図っていきましょう。
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