質問
慢性疼痛の患者さんの離床で気を付けるべきことは何ですか?
回答
ズバリ、離床時のめまい・転倒に気を付けましょう。
慢性疼痛は侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛、心理社会的疼痛などが複合的に絡んでいることも多く、しびれを伴う場合は神経障害性疼痛治療薬が処方されている場合があります。神経障害性疼痛治療薬の服用自体は離床の阻害因子にはなりませんが、神経障害性疼痛治療薬の副作用であるめまいや眠気がみられる場合には注意が必要です。
例えば、めまいによる立ち上がり時や歩行時のふらつきが起こり得ます。また、眠気があり、覚醒状態が低いと、安全性に配慮した行動にかける場合があるかもしれません。眠気、めまいの副作用がみられる神経障害性疼痛に使用される薬物は、抗てんかん薬のプレガバリンや、抗うつ薬のアミトリプチンがあります。
アミトリプチン以外にも、慢性疼痛の治療薬として用いられる心理的な要因の痛みに対する、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、抗不安薬、オピオイド鎮痛薬などもめまい、眠気の副作用がみられます。離床前には神経障害性疼痛治療薬をはじめ、めまいや眠気などの副作用が出る可能性のある薬の服用状況を確認しましょう。
さらに、めまいや覚醒状態について、情報収集やヒアリングを通して評価を行い、患者さんの離床時には、転倒に十分注意しましょう。
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