日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.612 【エンドフィールで変わる!】関節可動域エクササイズに関するQ&A

質問

関節可動域のエンドフィールの違いが分かりません。筋の抵抗と、関節包・靭帯による抵抗には、どのような違いがあるのですか?

回答

関節可動域のエンドフィールの評価は、筋性か関節包/靭帯性かの見極めが重要です。筋性のエンドフィールは軟らかいものを引き伸ばすゴムのような弾力感を感じられ、関節包・靭帯性は伸長していく圧を感じ、硬い革のベルトを伸ばそうとしたときの抵抗感に似ています。

エンドフィールが筋性の場合は、筋緊張の亢進による痙縮・固縮か、あるいは筋の短縮が原因と考えられます。痙縮の場合は伸長速度に影響されるため、ゆっくりと持続的な伸長が有効です。筋短縮の場合も筋の柔軟性改善のために持続的伸長による筋長の延長を促します。固縮の場合は速度を変化させても伸長時の抵抗感は変わらず、他動的な伸長によって筋緊張が亢進するため、自動運動で関節可動域の拡大を促していくのがよいでしょう。

関節包・靭帯性の場合は、関節モビライゼーションが有用です。関節包内の状態を評価しながら、まずは関節の牽引・滑りによって関節包および靭帯のストレッチにより、伸長を加えます。関節包の伸長される部位と弛緩する部位は関節角度によって変化するので、安静肢位により、弛緩する部位の伸長を行うことが大切です。

関節可動域運動を促す際には疼痛の出現や関節包内の損傷に注意し、伸長時の抵抗感や患者の表情などを確認しながら進めましょう。

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