質問
座位の能力によって、シーティングに用いるクッションや車椅子はどのように選択すればよいですか?
回答
座位能力分類を参考に、クッションを選定すると良いでしょう。座位能力分類とは、手の支持の有無で座位保持が可能か否かを評価する分類で、Hoffer座位能力分類(JSCC版)が一般的です。
手の支持なしで座位保持が可能な場合、ウレタン素材の座クッションを選択してみましょう。腰椎の変形などに応じて背クッションの併用も考えられると、より座位が安定します。車いすは、バックレストの高さは下角のやや下、座面幅は殿部の幅より3〜5cm大きめに取るなどして選定してみてください。
次に、手の支持があれば座位保持が可能な場合、ウレタン素材とゲル素材の複合タイプや空気で調整が可能な座クッションを選択します。自身で除圧が困難な場合は、ゲル素材や空気で調整が可能なクッションを使用すると、除圧と座位保持が両立できます。骨盤や体幹の支持があれば座位保持ができる可能性が高いため、車いすはバックレストやアームレストが調整できるモジュラータイプがおすすめです。
最後に、手の支持があっても座位保持が困難な場合は、ジョル状の流動体クッションや空気調整式クッションを検討します。座位保持可能な方よりも身体機能が低い可能性が高いため、より除圧機能の高いクッションが必要になります。背中にかかる圧も考慮して、体圧分散が可能な背クッションも合わせて検討しましょう。
座位保持が困難な場合は前に滑り落ちるリスクがあるため、ティルト機能がついた車いすがおすすめです。
このように、座位保持能力によって適応となるクッションの素材や車椅子が異なるので、しっかりとアセスメントして選択するようにしましょう。
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