日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.391 【ポイントは軟部組織!】THA後の脱臼リスクに関するQ&A

質問

THA後に脱臼しやすい患者さんの特徴に、痩せているとありましたが、痩せているとなぜ脱臼しやすいのでしょうか?

回答

痩せていると、脱臼を止めるための軟部組織が薄く弱いため、脱臼しやすいと考えられます。人工股関節全置換術(THA)後の離床の時に注意すべきリスクに、脱臼があります。脱臼リスクの要因には、痩せ、臼蓋形成不全、認知症などがあります。

そもそもTHA後に脱臼が起きるのは、手術侵襲の時に、股関節を安定させている、関節包や靭帯、筋が損傷するためです。裏を返せば、これらの軟部組織が脱臼を抑止しているため、術後に軟部組織が修復しているか確認することが重要です。痩せている患者さんでは、脱臼を抑止するための軟部組織が元々薄いために、THA術後の脱臼リスクが高いと考えられます。脱臼リスクの高い、痩せている患者さんに対しては、より慎重に脱臼予防の動作指導や筋力改善など対策を行うようにしましょう。

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