日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.261 【線から想像できることとは?】心不全の胸部画像に関する Q&A

質問

心不全患者さんの胸部レントゲンでみられる、カーリー線が意味することは何でしょうか?

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣

カーリー線は、水分貯留により間質が肥厚すると出現し、心不全が増悪傾向にあることを意味します。心不全の場合、左室機能が低下し心拍出量が低下すると、まず左室圧と左房圧が上昇し肺うっ血へと移行します。肺うっ血が強くなると、肺血管内から間質へ水分が漏出し、間質性肺水腫をきたし、カーリー線がみられます。その後、間質が受け入れられないほどの水分が漏れると、肺胞内へ水分が漏出し、肺胞性肺水腫をきたし、バタフライシャドーがみられます。つまり、カーリー線がみえる場合は、まだ肺実質に水が漏れ出る前と解釈できます。

カーリー線には、A線(上肺野から中肺野でみられる、肺門から抹消に向かう線)、B線(下肺野の最外層に見られる1cm程度の間隔で並ぶ水平な線)、C線(下肺野で見られる網状線)があります。

カーリー線を認めたら、さらに状態が悪化しないよう、離床レベルや治療方針をチームで検討するようにしてください。