日本離床学会 - 早期離床・看護・リハビリテーション

Q&A Vol.217 【肺の外に空気?】胸部レントゲンに関するQ&A

フリーエア

質問

胸部レントゲンでフリーエアが見られた場合は、離床は絶対にストップするべきでしょうか。

回答

回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣

フリーエアとは横隔膜の下に空気が見える所見で、
腹腔内に空気が存在する場合にみられます。

胃泡や腸管ガスとは異なり、
フリーエアが確認された場合の離床は、原則はストップするべきです。

その理由は、フリーエアが存在することで、消化管穿孔
をきたしていることが疑われるためです。

消化管穿孔が起こると、腹膜炎から敗血症へと進行し、
重症化するリスクがあるため、原因検索が優先となります。

ただしフリーエアがあるからといって、必ずしも消化管穿孔を起こしているとは限りません。

臨床でよく遭遇するのは、
開腹術や腹腔鏡下手術などによるフリーエアが認められるという事例です。

フリーエアは他にも、外傷や縦隔機種・肺気腫などによっても認められることがありますので、
原因検索のためにCT撮影による確実な評価が必要です。

万が一消化管穿孔であった場合の離床は、絶食管理や抗菌薬投与を行い、
患者の全身状態と腹痛や嘔気など自覚症状の増悪に注意しながら、
医師の許可のもと離床を進めていきましょう。