質問
胸部レントゲンでフリーエアが見られた場合は、離床は絶対にストップするべきでしょうか。
回答
回答者:曷川 元、他 日本離床学会 講師陣
フリーエアとは横隔膜の下に空気が見える所見で、
腹腔内に空気が存在する場合にみられます。
胃泡や腸管ガスとは異なり、
フリーエアが確認された場合の離床は、原則はストップするべきです。
その理由は、フリーエアが存在することで、消化管穿孔
をきたしていることが疑われるためです。
消化管穿孔が起こると、腹膜炎から敗血症へと進行し、
重症化するリスクがあるため、原因検索が優先となります。
ただしフリーエアがあるからといって、必ずしも消化管穿孔を起こしているとは限りません。
臨床でよく遭遇するのは、
開腹術や腹腔鏡下手術などによるフリーエアが認められるという事例です。
フリーエアは他にも、外傷や縦隔機種・肺気腫などによっても認められることがありますので、
原因検索のためにCT撮影による確実な評価が必要です。
万が一消化管穿孔であった場合の離床は、絶食管理や抗菌薬投与を行い、
患者の全身状態と腹痛や嘔気など自覚症状の増悪に注意しながら、
医師の許可のもと離床を進めていきましょう。