質問
THA術後の離床では脱臼のリスク管理が大事だとわかりましたが、股関節の屈曲動作単独で脱臼するリスクはありますか?
回答
回答者:曷川 元、他 日本離床研究会 講師陣
結論から言うと、屈曲動作単独で脱臼することはほとんどありません。
大体、屈曲+内点や、屈曲+内旋など、2つ以上の動作が組み合わさったときに脱臼しやすくなります。ただし、脱臼しやすい背景がある患者さんでは、屈曲動作単独でも脱臼に注意が必要です。脱臼患者さんとは、高齢女性・やせ型・臼蓋形成不全がある方などです。
痩せていると脱臼しやすいのは、筋力がないからということもありますが、さらに軟部組織による関節への圧力がないからと考えられています。脱臼しやすい患者さんは、病棟でのトイレからの立ち上がり動作でも脱臼することがありますので、脱臼肢位をとらないよう、強調してADL指導する必要があります。
術式はもちろんですが、脱臼しやすい背景にも着目してみてください。
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